思事叶果報(うみじとぅかねぇがふう)
〜 音と音(っうとぅ)ぬ記憶 〜
この度、「令和4年度 沖縄県しまくとぅば普及促進事業」の一環で、『短編しまくとぅば歴史ドキュメンタリー』を制作いたします。本質的な沖縄文化の価値をさらに掘り起こすため、しまくとぅばが、なぜ消滅危機言語になってきたのかの歴史的背景を紐解き、誰もがしまくとぅばの歴史的歩みを理解できる短編ドキュメンタリーの制作を予定しています。沖縄県内外のみならず、世界中のしまくとぅばを愛(かな)さする皆様と共にドキュメンタリーを制作しました。
しまくとぅば復興ドキュメンタリー
~みろく世(ゆ)へぬ 思(うみ)い立(た)ち~
戦前、戦後から琉球親先祖 ( ウヤファーフジ ) から継承されてきた琉球・沖縄の歴史や文化に対する目隠し状態が続いている中、『琉球先人の方々から伝承されてきたアイデンティティが崩壊してしまうかもしれない』、『しまくとぅば(琉球諸語)を形あるものとして次世代に残したい』等、島々の言葉にウミィ(思い)と希望を持つ高齢者達や、同様に世界のうちなぁんちゅ達からの熱い思いを受け、しまくとぅばの歴史の観点から見たこのドキュメンタリーを、大学の言語学専門の先生方の御協力を頂き制作致しました。
※タイトルのみろく世=弥勒 ( みるく ) 世 ( ゆ ) の意味:
琉球の親先祖から伝承されてきた。肝心(ちむぐくる)を学び、世界が平和に向け行動する思いを込めこのタイトルにしました。
琉球の親先祖から伝承されてきた。肝心(ちむぐくる)を学び、世界が平和に向け行動する思いを込めこのタイトルにしました。
このドキュメンタリー制作には、沖縄ハンズオンNPOでのしまくとぅば普及活動プログラムの他にも、県外在住のうちなぁんちゅ達、遠くはハワイのうちなぁんちゅ、海外南米のうちなぁアインデンティティを意識する青年達まで、しまくとぅばを愛(かな)さする思いを一つにする数多くの方々のおかげで成り立っています。これを受け、沖縄に住む青年達や学生達が異文化理解を通じて、沖縄歴史文化の真髄と神髄に対する知識と認識の向上をさらに求めたいとの思いが制作に反映されています。このしまくとぅばドキュメンタリーを通じて、しまくとぅばを使ううちなぁんちゅとして、自己同一化できる言葉の生態系を拡大していきたいと考えています。
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琉球諸島の文化的アイデンティティの重要な要素である島々の言葉、『しまくとぅば』が消滅の危機に瀕している中、2009年国連ユネスコが、しまくとぅば(琉球諸言語)を世界の絶滅危惧言語に指定しました。世代や時代を超え、海外うちなぁんちゅを含め、島んちゅ、うちなぁんちゅに今必要な普遍的な支えとは何か、今の変わりゆく時代の中で、必要な精神的支えとは何かを問い続ける姿勢が私たちに求められています。
また、次世代うちなぁんちゅ達に向けて、子供時代に何が求められるかを伝えるスクブン(使命感)を担っていると考えています。 |
Updates
これまでに、ハワイ・オアフ島や沖縄県内大学にて、しまくとぅば復興ドキュメンタリー「みろく世へぬ思い立ち」の上映試写会を実施しました。県内のみならず全国、また海外うちなぁんちゅなど、多くの皆様からのご志縁をいただき、ドキュメンタリーを上映することができました。心より感謝申し上げます。いっぺーにふぇーでーびる。
【しまくとぅば】
ドキュメンタリーんかい出演そーる 琉球大学ぬ狩俣繫久教授ぬ紹介やいびーん。狩俣しんしーや なま 失なーりかきとーる 沖縄ぬふーじゅく、文化から沖縄ぬ ちゅぬちゃーが習てぃちゃるチムグクル、琉球諸語、保存・継承っしいちゅる ぅいーんじ ちむがかい さりーしに ちーてぃ うふぁなしっし くぃみそーちゃん。 狩俣しんしーや マイノリティー言語んかいぬ多様性がいっぺーてーしち んでぃる くとぅ ぃやっとーい 無関心でぃるくとぅ ぬる しまくとぅばが うとぅるてぃ いちゅる まぎさる問題ぬてぃーち んでぃる くとぅ いみそーちゃん。狩俣しんしー御協力いっぺーにふぇーでーびる。 【大和口】 ドキュメンタリーへ出演されている琉球大学の狩俣繁久教授の紹介です。 狩俣先生は、今は失われつつある沖縄の風習・文化から沖縄の人々が学んできた肝心、琉球諸語を保存・継承していく上で懸念される問題点についてお話して頂きました。狩俣先生は、マイノリティ(少数派)言語への多様性がいかに重要であるかを述べられており、人々がマイノリティー言語や方言に対して無関心であることがしまくとぅばが衰退していく大きな問題の一つであると示されました。狩俣先生、ご協力大変ありがとうございます。(2018年6月28日) |
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【しまくとぅば】
ウチナー戦(いくさ)後(あとぅ)ぬ 人(ちゅ)ぬ生(い)き様(ざま)とぅ生魂(いちまぶい)ぬ有様(ありよー)沢山(いっぺー)込(く)みらっとーる歌 ウチナー代表するでいご娘さんぬ不滅ぬ民謡曲『艦砲ぬ喰(く)ぇー残(ぬく)さー』 うぬでいご娘さんぬ舵取(かじとぅぃ)そーる島袋艶子さん 御紹介さびら。 我達(わったー)が尊敬そーる島袋艶子さのー 歌ぬ舵取いびけーやあいびらん 北谷町栄口区ぬ自治会長とぅし チュイシージーぬ縁(ゑにし)拡大(ひる)ぎる活動ん そーいびーん。島袋艶子さんぬ御話ぬとぅいけーうてぃ ウチナーンチュぬアイデンティティーとぅし 今(なま)あるしまくとぅば 残(ぬく)ちいちゅる大切(てーしち)さに関(ちー)てぃ 語(かた)てぃきみしぇーびたん。 【大和口】 ハイサイ!今回皆様方にご紹介する人物は、沖縄戦後の人間の生き様と、魂を揺さぶる名曲、『艦砲ぬ喰ぇー残くさー』で有名な民謡歌手「デイゴ娘」さんのリーダーを務める島袋艶子(つやこ)さんです。島袋艶子さんは、でいご娘さんの舵取りだけでなく、北谷町栄口区の自治会長としても地域の課題を解決に導く素晴らしいリーダーシップを発揮しています。島袋さんのインタビューの中で、ウチナーンチュのすべての文化の入口であり、アイデンティティーの根幹である しまくとぅばを残していく重要性をお話して頂きました。(2018年5月21日) |
【しまくとぅば】
ハイサイ!読谷山うてぃ暮らしがたそーる 福地進(ふくぢすすむ)さぬんかい インタビューさびたん。 両親(ふたうや)から受(う)き継(ち)じゃる渡慶次(とけし)くとぅば語(かた)いる福地さのー現在(なま)ん現役(バンジ)ぬ海人(うみんちゅ)やいびーん。福地さのー言葉ぬ使(ちか)いーし とぅか、言葉交(くとぅばか)わする事(くとぅ)ぬ大切(てーしち)さ、うりから次(ちぎ)ぬ世代(しでー)ぬ人達(ちゅぬちゃー)んかい言葉語(くとぅばかた)てぃ くぃみそーちゃん。今(なま)ん現場うてー 他(ゆす)ぬ海人達(うみんちゅぬちゃー)とぅ しまくとぅばし 語とーん でぃぬ くとぅ やいびーん。 【大和口】 ハイサイ!読谷村在住の福地進さんにドキュメンタリーのインタビューをさせて頂きました。両親から受け継いだ読谷の渡慶次言葉を話される福地さんは、元気な現役の漁師さんです。福地さんは、その場に応じての言葉の使い分け、コミュニケーションの重要性、そして次世代へのメッセージを話していただきました。今も現場では他の漁師さん達の間ではしまくとぅばで会話をされているそうです。 (2018年4月23日) |